61歳の夫が8回目で社労士資格試験に合格した話 第1話

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驚いた!

ずーっと勉強し続けるんだろうなと思っていた。

『今、電話いい?』

母親の介護のため自宅を留守にしていた私に、夫からラインメッセージが届いた。

(何か悪いことでもあったんじゃ...)

ビクビクしながら夫に電話をかけると「受かった...」と消え入りそうな声が聞こえた。

すぐには何のことかわからなかった。

8回目ともなると、試験の結果なんてまったく気にしなくなっていたから。

「今日、合格発表の日だったの?」

「そうなんだよ!今年から少し早くなってさ」

”自分大好き”な夫は延々と武勇伝を語る。

合格率が5.8%の試験であったこと。

合格発表を見る直前まで怖くてできなかった答え合わせで、思った以上に正解していたこと。

正しかったに違いない勉強法のこと。

などなど。

そりゃ嬉しいよね。

諦めずにやり遂げたんだから。

マジであなたを尊敬してます

会社の方々からも称賛をいただいたらしい。

そんなに難しい試験だったんだね(失礼💦)

ならばあなたの快挙を記録に残しておかなきゃね。

53歳、次長職。

俺の出世もここまでだろう(泣)。

59歳になれば役職定年で給料も減らされる。

それまでに転職して生活費を維持したいものだが、さてどうするかな。

15年間人事に携わり、定年退職していく先輩社員たちを見てきた。

彼らの再就職先といえば、中小の同業他社がほとんどだ。

なかなか決まらない人もたくさんいる。

スムーズに再就職するためにも、やはり資格を持っていた方がいいだろう。

そういえば37歳の時に会社の教育訓練給付制度で、半年間社労士の通信教育を受けたことがあったな。

総務、人事、労務関係の仕事が肌に合っていたから楽しく学べた。

(なんだ、簡単じゃないか。

 試験には合格できそうだな。

 まあ、急いで受験することもないだろう)

そう思ったものだ。

あの頃はまだ若かったし、気持ちに十分な余裕があったからなあ(自信過剰なだけだろ)。

16年のブランクがあるけど、もう一度勉強しなおしてみるか。

思い立ったら実行だ。

書店の資格試験コーナーで参考書をめくってみる。

「A予備校」のコマーシャルが目に入った。

このビルにある学校じゃないか。

ちょっとのぞいてみよう。

学校に置いてあるパンフレットを手に取って見てみると、10ヶ月で20万円くらいかかる。

高い・・・

妻に相談したところ、すんなり賛成してくれた。

よかった、小遣い減らされなくて(感謝)

仕事をしながら、その上父親の介護の手伝いをしながらの通学となると、必然的に平日夜のコースになる。

コース決定に選択の余地はなかった。

このコースの講師はというと、業界での地位は高いようだが、板書と一方的な説明で講義に面白味がない。

気が付けば ZZZ・・・となることしばしば。

受講料を返してくれ!

高級ウナギが食べられたじゃないかあ(涙)

教室で受ける講座のほかに、人気講師のWeb講義も受講したのだが、残念なことにこちらも魅力を感じられない。

それでも10ヶ月間勉強に励んだ。

試験には選択式と択一式がある。

選択式は8科目。

択一式は7科目。

各科目ごとに合格基準点が設けられている。

1科目でも満たないとその時点で不合格だ。

その上、合計得点にも基準点があるから、全科目で基準点が取れても不合格になることがある。

ドキドキの試験結果はというと

選択式の1科目「労働一般」が足切りにあい(汗💧)

択一式も合計得点が基準に満たなかった(大汗💧💧💧)。

ダメダメだ・・・。

まあね。

1回じゃ受かんないでしょ(ポジティブか)。

いやいやいや!

自己弁護に走っていてはいけない!!

考えが甘かった!!!

反省して次に生かさなければ。

でも、どうすりゃいい?

受験仲間のアドバイスで年金アドバイザーの資格を取得した。

試験は10月。

社労士資格試験を終えて2ヶ月後だった。

この資格は社労士と似ているから、社労士の試験勉強が役に立つ。

参考書1冊の試験勉強で、短期間でも3級に合格できた。

この資格だけで独立することはできないが、社労士資格取得後、年金相談業務に活かせる。

社員50人以上の職場で必ず取得者が必要となる資格だ。

28歳の時に上司に勧められて取得していた。

社労士の試験科目にも「労働安全衛生法」があるので、知識を持っていたことで勉強がはかどった。

(第2話へつづく)

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